積読(つんどく)日記

本はただ机の上に積んであるだけ・・・の状態で日々過ごしています。新聞や雑誌・映画・テレビなどから、気になったことを書いています。

声に感動 映画「ふたりの桃源郷」

この映画満席でした。

戦後山を切り開いて生活していた夫婦が、子どものために都会へ出るが、子育てが終わって余生はあの山で過ごしたいと戻ってきた。

この二人の生活を25年に渡って追ったテレビ番組を映画版に編集した作品。

六十代後半の二人が畑仕事や食事の準備、お風呂の支度と、助け合いながら声を掛け合いながら生活している様子が、ユーモラスであり危なっかしくも見えるが、不平不満はなく、心からこの生活を楽しんでいる様子が伝わってくる。

七十代、八十代と歳を重ねていくにつれ、子どもたちのサポートが厚くなっていく。

親の老後と子どもたちの老後も重なっていく。

おじいさんが、身体がかなりよぼよぼしていたのだが、帰っていく子どもたちを見送るとき、少し背を伸ばし直立のようになって思わず敬礼しそうに見えたシーンがあった。

おじいさんの戦争の体験を思い出した。

生きていくうえで何が一番大事か、二人には共通の認識がぶれずにあったから、毎日を大事に過ごすことができたのだろう。

おばあさんが山に入っていったおじいさんがなかなか帰ってこなくて、山に向かって叫ぶのだが、ものすごい迫力があった。腹の底から声を届ける。山からもおじいさんの声が届く。

携帯に頼らなくても、人間の身体を使ってできることはある。

山にこだまする❝声❞が気持ちよかった。