積読(つんどく)日記

本はただ机の上に積んであるだけ・・・の状態で日々過ごしています。新聞や雑誌・映画・テレビなどから、気になったことを書いています。

『額田女王』読了

ついに! ついに! 読了です!!

今年に入って読み始めた『額田女王井上靖著、読み終えた。

毎夜毎夜数行戻っては数行進み、半ページ戻っては1ページ進み、そんなペースで約一年。

こんなスローな読書は初めてだ。

読めたのはこれは課題図書ではなく、テストされるわけではないから、かな?

 

ただただ古の日本の姿、情景を思い浮かべながらその世界に浸れたからだろうか。

寝る前のひと時、遠い古代の電気のない世界、自然の情景の中に入り込めたのが良かった。

なんだかその時代の空気を感じるのだ。

 

額田女王は、自分の立場を意識し役割を果たしていく女性として描かれている。

決してぶれない。

井上靖がこの小説で描いた人物像が社会に定着していってるのか、額田女王の歌、語り継がれてきたことからこう描かれたのか。

情に溺れない描き方になっているからか、著者が男性だから(こういうのって偏見?)か、私としてはもう少し気持ちを埋めてほしいと思いながら読んでしまう部分もあった。

 

そこで起こる出来事は今と変わらない。

教科書で白村江の戦い壬申の乱という出来事を学んだ記憶はあるが、文学作品の中で読んでいくと臨場感がわいてくる。

今も昔も唐・朝鮮半島との関係、帰化人の存在、何も変わらない。

日本に住んでいるから日本人というだけで、ご先祖様の中にはいろんな国出身の人がきっといるだろう。そんなことも自然に感じられた。

 

この小説がどれくらい史実に沿っているのかわからないが、出来事を単なる項目として学ぶのではなく、流れの中で知っていくことの意味が今にしてわかってきた。

読みながら残念だったのは、一番大事な「歌」を説明なしでは全然理解できないこと。

前後の文脈からまた文章内の解釈を読まなければ、すっと文字だけ読んでも理解できないこと。

これがすっと心にすぐ沁みてくるようだったらどんなにもっと深くこの世界に入り込めるか。

古文の時間何してたんでしょう。

 

重厚な文体というのだろうか、「落ち着きがあって歴史の重さをしっかり支える文章」と表現したい。

世代的なものなのか、書かれていることが理解しやすいということなのか。

今の若い人が読んだらどう感じるのだろう。

もしかしたら、後々源氏物語のようにその時代の人が訳していくようになるだろうか。

 

古本市場で買った初版本500円。

大収穫だった。